【読書】座右の書『貞観政要』 出口治明著

こんにちは。
代表の渕脇です。

このブログでは、経営者の皆様にお勧めの本などを紹介していこうと思います。
もうすでに、読んでいる方も多いかと思いますが、何かの参考にしていただければ幸いです。

今日ご紹介するのは、60歳を過ぎてからライフネット生命を創業し、現在では、立命館アジア太平洋大学学長を務められている出口治明氏の著書、「座右の書『貞観政要』」です。

時代を超えた「帝王学の教科書」

この著書中で、出口氏は貞観政要について以下のように説明しています。

『貞観政要』は、唐の第2代皇帝、太宗・李世民の言行録です。「太宗」とは、太祖(創業者)に次ぐ功績のあった皇帝に与えられる廟号(死去した後に贈られ、廟に載せられる名前のこと)です。
 太宗と臣下(部下)の政治上の議論や問答が、全10巻40編の中にまとめられています。「貞観」とは、当時の元号(年号/西暦627年~649年)のこと。貞観の時代は中国史上、もっとも国内が治まった時代(盛世)のひとつといわれています。
「政要」とは、政治の要諦のことです。

つまり、『貞観政要』は、貞観時代の政治のポイントをまとめた書物であり、その中には貞観という稀に見る平和な時代を築いたリーダーと、そのフォロワーたちの姿勢が明快に示されているのです。このような書物なので、クビライや乾隆帝など後の中国の皇帝が帝王学を学ぶために愛読し、わが国でも北条政子や明治天皇が学んだと言われています。

中国の長い歴史の中で、名君と言われた人は沢山いますが、その中でも有名なのが、唐の2代目皇帝である太宗(李世民)です。
果たして、李世民はどのようにして、この時代の唐という国を治めたのか。
その内容を記録しているのが「貞観政要」という書物で、帝王学の教科書と言われているのです。

出口氏が学んだことを解りやすく解説している

この、「座右の書『貞観政要』」は、著者の出口治明氏が常に自分を戒めるために手元に置いているという「貞観政要」のエッセンスを、出口氏の解釈をもとにまとめたもので、とても読みやすく、李世民がリーダーとして優れいている点、さらには、その臣下たちとの関係性などがよくわかります。

人間の営みは、基本的にはいつの時代も変わりません。出口氏は歴史から学ぶことは多い、という考えから、歴史を学ぶ大切さを説いています。
人間の歴史を学ぶとき、そこから学ぶことは多いのです。

どんなに小さくても、組織を引きるリーダーであれば、李世民の思想を学ぶことはとても意義のあることだと思います。

リーダーとはどうあるべきかがわかる本

この本は、一言で言えば、良きリーダーとはどういう人なのか、ということが書かれている本だということです。

李世民は、部下の言うことをよく聞きます。
部下に対して、私の悪いところがあったら教えてくれと頼み、耳の痛い諫言をしてくれる部下を重用して、常に自分の身を省みることを忘れなかったのです。

皇帝ですから、すべての権力を握っているわけですから、気に食わないことをいう部下の命なども自由にできるだけの力を持っているのですが、にもかかわらず、自分を律するために、あえて部下の意見をよく聞いていたと言います。

さらには、部下を実力に応じて公平に評価し、適材適所の人事を行い、権限を委譲し、細かいことにまで口出しをしなかったとのことです。

こういうリーダーとしての姿勢は、当然のことながら、現代においても通用することだと思います。
この本は、組織を率いるすべてのリーダーに読んで欲しいと思います。

まとめ

「帝王学の教科書」といわれる『貞観政要』を、出口治明氏がわかりやすく解説してくれている本書は、とても読みやすく、すべてのリーダーが読むべき名著だと思います。

日々組織をまとめることに苦労している経営者の皆様には、とてもいい学びの機会となるでしょう。