人を大切にする経営が会社を伸ばしていく
こんにちは。
代表の渕脇です。
昨日は、「上司道」という勉強会に参加しました。
「上司道」は、部下のマネジメントを行っている「上司」の皆さんが集まって、マネジメントについて勉強しているコミュニティで、私が参加するのは5回目くらいになるでしょうか。
昨日の勉強会は、「サーバントリーダー奔る! コア・バリュー経営の実践!」というタイトルのもと、コア・バリュー経営を実践し素晴らしい成果を上げていらっしゃる、マテックス株式会社の松本浩志社長の講演を聴いてきました。
松本社長の取り組みがあまりにも素晴らしかったので、このブログでご紹介させていただきます。
窓から日本を変えていく
松本社長が率いるマテックス株式会社は、窓ガラスの卸売業を行っています。
窓ガラスというと、身の回りに当たり前のようにあるのですが、あまりにも当たり前の存在なので、あまり深く考えることはありませんでした。
ところが、大きなビルも、マンションも、窓がない建物はありません。
特に最近の建物は、窓の面積がどんどん広くなっているので、大量の窓ガラスが使われています。
意識をしなければそのようなことには気が付かないのですが、意識してみて初めて気が付くものもありますよね。
窓ガラスはまさにそんな、特別意識されてはいないもののとても重要なものであることが解ります。
最近では、窓を広くとるのが流行っているのですが、そうなると問題になるのは熱の透過です。
窓辺は、冬は寒く、夏は暑いという特徴があります。
それは、窓が壁や天井に比べて熱の透過量が多いからです。
これでは、暖房や冷房の熱効率が悪くなりますよね。
それはすなわち、エネルギー問題や環境問題にもつながる話なのです。
したがって、このようなあまり気にされてはいないけれども、とても重要な窓の機能を考え抜いていくことで日本を変えていこうという目標を掲げているというのです。
人を大切にする
松本社長は3代目の社長です。
代替わりの時にどのような会社にするのかとても悩んだそうです。
その時に強く思ったことは「いい会社を作りたい」ということ。
そして、時間をかけて、次の三つのステップを踏んだと言います。
1、経営理念の制定
2、上位組織の見直し
3、コア・バリューの制定と企業文化の醸成
企業理念は明文化されたものが無かったので、明文化しようと考えたそうです。
その時に、初代の社長や2代目の社長が常々どのようなことを言っていたのか。
また、もともとこの会社に根付いている文化がどのようなものなのかを知るために、古くからいる社員にインタビューをして回ったとのこと。
社長が社員にインタビューして回る。
教えてもらう。という姿勢を見せることはとても大切なことだと感じました。
松本社長も入社当初は、メーカーで鍛えられた、効率、生産性、合理性を目指していたと言いますが、そのころは古くからいる社員から「お前になにが解るんだ」という感じの接し方をされていたとのこと。
ところが、1年半くらいたった後に、ベテランの社員から「目線が下がって合ってきたね」と言われて、ハタと気が付いたとおっしゃっていました。
それからは、社員の目線でものを考えるようになったと。
それによって、ビジネスとは結局「人」が大切なんだということ。
効率や儲けを重視するのではなくて、「人」を大切にする経営することを目指すようになったとお話をされていました。
理念・価値観を実現する努力を続けていく
企業理念を制定する企業は沢山あります。
しかし、それをただ唱和するだけでは理念が実行できるようになるのかと言えばそうではないと。
その理念を実現する努力を続けていくことがとても大切で、その結果として企業文化が醸成されるのだとお話をされていました。
実際に、どのような努力をされているのか、という事例をいくつか紹介していただきましたけれども、これがものすごく多岐に及んでいるうえに、その内容が本当にアイディアに富んでいて、これをすべて実行して継続していくのはとても素晴らしいことだし、並大抵のことではないと思いました。
「努力」という言葉を使われるのも納得しました。
企業文化というのは一日にしてならないわけです。
じわじわと時間をかけて浸透していって、醸成するまでに時間がかかるわけです。
時間がかかることを根気よく続けていくことができるのか。
そういうことがとても大切なのではないかというお話をされていました。
ヒト、モノ、カネの順番が大切
よく言われている、経営の3大資源、ヒト、モノ、カネ。
松本社長は、「この順番が大切だと思う」と言っていました。
この順番が逆転して、1、カネ 2、モノ 3、ヒト になってしまうと、いろいろとトラブルが生じるような気がするとおっしゃっていました。
この発言はとても感心しましたし、納得しました。
でも、残念ながら、順番が逆転している会社がとても多いような気がします。
儲けを最大化させるために、効率を重視して、ぎりぎりの経営を目指してしまう企業は多いですよね。
そして、ヒトを大切に扱わない。
長時間労働、サービス残業、パワハラ、低賃金、非正規雇用の増加などは、ヒトを大切に扱っていない証拠です。
こういう企業が多いことが、今の日本社会の生きづらさに結び付いていると思います。
そして、うつ病の増加、過労自殺などの労災事案の増加などにつながっているのです。
一番大切にしなければいけないのはヒトなのです。
ヒトが価値を生み、ヒトが仕事を運んできてくれるからです。
イソップ物語の、金の卵を産むガチョウの話がありますよね。
そのガチョウは一日に一個、金の卵を産むのですが、そのガチョウを飼っていた農夫は、カネに目がくらんでもっと金の卵を手に入れようとガチョウの腹を裂いてしまいます。
それによって、ガチョウは死んでしまって、金の卵を手に入れることができなくなってしまうのです。
ヒトが価値を生むのに、ヒトをないがしろにしてしまうのは、この農夫と同じことをやっていることになります。
この農夫を笑うことができない人が、今の日本にはたくさんいるんですよね。
人を大切にする経営者を支援したい
私は、自分が過去にうつ状態に陥ったこともあって、うつで苦しい思いをする人を減らしたいと真剣に考えています。
そのためには、うつになりそうな人をケアするのではなくて、この松本社長のように「人を大切にする経営」をする会社が増えていくことが必要だと考えています。
人を大切にすることがやがて利益を生む。
それは、自然の摂理なのではないかと思います。
なぜなら、会社とは結局「ヒト」の集まりだし、仕事はヒトを伝ってやってくるわけだし、クライアントもヒトなのだから、「人を大切にする」ことがビジネスを支えるのです。
私は、人を幸せにするためのコーチングをしています。
人間の心理を知っています。
人を幸せにする経営をしたいとお考えの経営者の皆様。
ご連絡をお待ちしております。